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 過去を振り返る 中編
2008年04月25日 (金) | 編集 |
酒関連、特に清酒に関する話題を中心としたHPやブログでしばしば見かける話題として、「特定名称酒」に関する解説が挙げられよう。酒販店や飲食店、酒造メーカーの場合は自分の提供する商品の基礎的な情報として説明するということになる。個人の場合だと、清酒に興味を抱くとまず気になるのは「純米」や「吟醸」、「本醸造」の意味する内容であり、それを知ってしまうとついついうれしがって「他の人にも伝えてあげなきゃ!」と余計なお節介を考えてしまうもので、ケツの青かった自分もやってしまったりしてねぇ。


もう転載はせんが、これ→ 「特定名称酒な話 その1」
なんかいらんことまでべらべらと語っとる。上原氏の『純米酒を極める』に引っ張られていた節もあり。ハッキリ言って、示したリンクで事足りる内容だ。一応、「その2」もあるが、あれは完全に蛇足なり。

何故、これを振り返っておきたいと思ったかというと、この手の「特定名称酒」を解説しようとしているブログやHPの記事であまりにいい加減な内容が散見されるためだ。それも一つや二つではない。いちいち揚げ足取りのようなことはしたくないが、そうやってウソや珍説をばらまくのは情報公害と言っても良い。

さて、様々な主体によって為される「特定名称酒」解説の記事は大きく3つのタイプに分類出来るように思える。それは以下の通り。

(1)正確な情報に基づいた内容
(2)ソースが?ないい加減な内容
(3)正確な情報を踏まえつつ、自分の主張の都合に合わせて話を持って行く内容


第一のタイプは、国(国税庁)の定める清酒の製法品質表示基準の引用、もしくはそれに基づいてその基準内容を外れないように解説するものが挙げられる。その手のページにリンクを付けるのが最も確実だ。なんというか、「特定名称酒」を解説するならこれしかあり得ないわけなんだが。その例としては、私が以前にリンクをつけたように日本酒造組合による解説や、月桂冠による解説(Google大先生で「特定名称酒」を検索するとトップにヒットします)が挙げられる。

第二のタイプは、うろ覚えな知識やいい加減な情報に基づいて、間違いが目立ったり、ウソを書いているものが挙げられる。これが実に多い。以前に「特別純米酒についての疑問」という記事を書いたりしたが、本記事の動機につながる印象を抱いたのであり、世の中にいい加減な情報によって「特定名称酒」を解説している記事が多いということだった。この手の記事で目立つミスは3つほどある。

 (1)特別純米や特別本醸造の要件として、「精米歩合60%以下」と断定してしまっている。
→要件に含まれているが、絶対条件では無い。書くならば少なくとも「60%以下又は特別な製造方法(要説明表示)」としておかなければならない。もう少し国税庁の基準を引用すると「純米酒又は本醸造酒のうち、香味及び色沢が特に良好であり、かつ、その旨を使用原材料、製造方法その他の客観的事項をもって当該清酒の容器又は包装に説明表示するもの(精米歩合をもって説明表示する場合は、精米歩合が60%以下の場合に限る。)に「特別純米酒」又は「特別本醸造酒」の名称を用いること」となる。にも関わらず、精米歩合を絶対条件の如く記述してしまうのは、細かな規定を省略してわかりやすく説明しようとして、示すべき情報まで省略して不正確な記述をしてしまったという典型例である。精米歩合65%の吟醸酒というのは存在しないが、精米歩合65%の特別純米酒は存在するのである。

 (2)純米酒の要件として、「精米歩合70%以下」のままになっている。
→昔に書かれた記事か、もしくは古いデータをソースに用いてしまっている。かつてはその要件があったが、2003年10月31日の「清酒の製法品質表示基準」の一部改正に際してこの要件が撤廃され、2004年1月1日から適用されている。古い記事ならば可能な限り更新で修正しておく必要はあろうし(その記事が書かれた日付がきちんと明記されていれば当時のデータとして、そのままでも問題ない)、新たに記述するなら参照するデータは極力新しいものを用いないと内容が不正確になるよ、ということである。たまに、この改正以降に出版された書籍でもこのミスをしているものもあったりする。

 (3)特定名称酒の各要件と同じように普通酒の要件(アル添の割合等)を説明してしまっている。
→普通酒は特定名称酒に該当しない清酒の通称。そもそも、まず清酒の定義が存在し、そのなかで製法等の要件に見合うものが特定名称酒として扱っても良いという表示基準である。なので、あえて言うならば「清酒の要件を満たすもので特定名称酒以外」ということになる。それ以上でもなく、それ以下でもない。そうでなければ、精米歩合50%でアルコールも糖類等も添加していなくても特定名称酒でないものを説明できない。

(1)と(2)はありがちなミスなんだが、(3)に関しては筆が滑ってウソを書いていることになる。一面的にはその説明に該当することもあるが、それが条件とはならない。この3つのポイントが当てはまっている見事なまでの典型例が、Google大先生で「特定名称酒」を検索した場合に上位にヒットするのだからタチが悪い(しかもプロたる酒販店…)。これに関しては示させて頂く。→※当初はURLを示していたが、リンク切れになっていたので削除

第三のタイプは、自分がかつて書いた記事なんかがそう。大体は、「純米こそが日本酒」を主張することを目的として、純米もアル添も同じ清酒として扱われていることに対する批判を付け加える。間違った記述では無いとしても、感情的に突っ走らずにほどほどに止めておくのがスマートではないかと思う。また、つい最近にもとある記事でたまたま目についたのだが、以下のような文言をセットで述べる場合も多々ある。
「添加する醸造用アルコールは、サトウキビの絞り汁かす(廃蜜糖)を醗酵させて作ります」
言うまでもなく、一面的な情報をさも全てであるかのように記述する典型である。事実誤認による珍説とも言いますかな。

あえて自分のことを棚に上げて述べさせて頂くと、兎にも角にも、公開するのなら、可能な限り正確な情報に基づいて記述しましょうや。そもそも、ネットのような情報検索に便利な存在があり、ちょっと探せば国税局の解説ページにたどり着けるのだから、手間もそれほどかからない。にも関わらず、上記のような不正確な内容が往々にしてある。そういう情報でも、それが正しいと信じてしまう人が出てきて、引用もしくはその情報に基づいて記述して、ウソが連鎖していってしまう。せめてそういうことは避けて欲しい。たとえ「特定名称酒」の基準自体が曖昧で問題があることであったとしても、その話題を取り上げる以上、正確に情報を捉えた上でなければ、それこそ"話にならん”のである。

ということで中編はここまで。後編は、「過去を振り返る」という話からは外れるが、今回の最後に挙げた「ウソの連鎖」に関して、一つの事例を言及して結びに代えたいと思う。



<追記>
この連続記事をまとめる過程で、私もいままで思い込みで間違った言葉を使用していたことに気付いたので、ここに明記しておく。

まず、清酒に添加するアルコールに関してはいつも「醸造用アルコール」と述べていた。一般にもよく言われる(本記事で引用した某ブログ記事でもそのように使用されている)のだが、国税庁の告示等での用語としては「醸造アルコール」が本則。確かによく見ると、手元にある本醸造のラベルでも「醸造アルコール」と記載されている。しかし、手元にある書籍で「醸造用アルコール」と用いているものも確認される。

次に、「醸造アルコール」の原料として主流とされているサトウキビの絞りかす(正確にはショ糖を結晶分離した後の残液)のことを「廃蜜糖(はいみつとう)」といつも呼んでいた。実際に、これも上に引用した某ブログ記事で使用されていたが、この言葉の構成を考えると「廃糖蜜(はいとうみつ)」というのが本則である。というのも、「蜜糖」という単語はなく、これを指す単語は「糖蜜」である。これに、「廃棄物」の意味を組み合わせて「廃糖蜜」という単語が使われていることになる。ということで、「廃糖蜜」という単語は辞書には存在せず、「糖蜜」が「廃棄物」として処理された場合にのみ用いられる造語と言える。そうすると、清酒関連でしばしば用いられるこの言葉自体の用法がおかしいことにも気付く。なぜなら、「醸造アルコール」の原料とされているのなら廃棄されておらず、「廃糖蜜」ではなく「糖蜜」と呼ばなければ矛盾している。
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