日々の晩酌を中心に、時々我が家の虎猫兄弟なブログ。
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 南 特別本醸造
2007年05月26日 (土) | 編集 |
2007年5月25日

この日は亡き父の誕生日でもある。これまでも幾度となく書いていることだが、父とは直接酒を飲み交わす機会を持てなかった私は、いわゆる父親の縁日には仏前に酒を供え、それを晩酌で呑むということにしている。大抵は何かにちなんでの銘柄はもってくるが、今回は高知の南酒造場の「南 特別本醸造」だ。もともと「玉の井」の銘柄で地元向けに醸していた蔵元が全国に向けて売り出した際にずばり自身の姓名を前面に出して売り出したブランドという様に伺っている。いや~良い銘柄だなぁ。

実のところ、この頃の自分の清酒の志向の中に低価格酒を楽しむというものがある。2,000円ぐらいか、それ以下の価格にて充分満足しうるもの、そのCPを楽しむということでもある。もちろん、安ければ良いということでは無く、造り・品質についても妥協しないと思えるものであり、少し前に呑んでいた「東長 金紋本醸造」もそういうコンセプトである。加えて言うと、本醸造やそれに準ずる低価格酒で良いと思えるものは純米酒あるいは無濾過生原酒といったスペックのものと異なる楽しみのステージがある。

イメージ 1

「南」はこれまで特別純米酒や純米大吟醸(五百万石)は呑んでおり、そんな中、「南」で最も低価格に位置する、日常の晩酌向きを意識したものということで特別本醸造を買い求めた。これは松山三井の60%精米で、日本酒度は+8に仕上がっている。印字されている製造年月日から推察するに17BYであろう。一升瓶の税抜価格で丁度2,000円である。

高知の清酒というと辛口であるとよく言われる。大きくは大手蔵の存在に依る理由で、また高知の酒に限った話では無いが、私が飲酒出来るようになる以前からのことで、辛口=良酒という珍説があり、現在でもかなり蔓延してしまっている。しかし、日本酒の辛口というのは旨味に乏しくてアルコールの刺激が目立ってしまう場合に該当するものと言える。水の如しの淡麗辛口という言葉もあるが、これも「水」と言うように味が少ない・風味が全体的に軽いということで「辛い」という味覚表現が該当するかは疑問である。また、日本酒度の数値がマイナスならば甘口、プラスならば辛口としばしば言われるがこれも正確では無い。日本酒度は清酒の中に含まれる糖分をその液体の比重から計測したものであるのでマイナス(比重が重い)の場合は含有糖分が多く、甘口である場合が多くなる。だからといって、その逆のプラスならば辛口かと言うのはあまりに短絡的過ぎである。プラスの場合は比重が軽く、含有糖分が少ないということを示すのみである。ただし、清酒には様々な微量成分が含まれており、この中に人間の味蕾に甘味として作用するものもあり、プラスに数値が高くても甘味や旨味を感じる清酒は非常に多い。日本酒度のプラスの高い清酒は「軽い」と言えても「辛い」とは言えない。ではどうして清酒で「辛口」という言葉が良い意味で使われているのか、一説には一時期の三増酒の蔓延からべたべたに甘い清酒が世に溢れたため、それに対する反動で「甘くない」清酒がもてはやされた様だ。その際にべたべたに甘い清酒の対語として「辛口」が用いられ、それが=良酒といつしか定着して現状に至るのだろうか。結局のところ、昔からそう言われているのだから、「辛口」を良い酒の表現として間違い無いだろうという意識から安易に用いられているだけ、というのが私の意見である。なので、私が清酒の表現で「辛口」と用いる場合はあまり好意的な表現で無かったりする。「甘ったるい」といった悪い意味での「甘い」の対語なら「軽快」だろうと、自分の中でのコダワリがあったりする。

話がついつい横道にそれてしまうが、つまりはこの「南」についても高知の清酒ということもあり、酒販店の紹介等でも「辛口だけれども…」といった具合に「辛口」という表現が付随する。その点には土佐の清酒だから「辛口」という表現を付けなければ変では?といった意識があると思える。これが土佐の酒じゃなければ果たして「辛口」という表現が出てくるのか、と。ようやく話が元に戻るが、今回の「南 特別本醸造」は「辛口」という表現がそぐわないと思える。直線的に訴えかけてくる味は特に無いが、そこそこに甘味や旨味といった風味のふくらみがあり、後口は突出し過ぎない芳醇さと響きがある。印象としては他の良いと思える本醸造に共通する部分でもある。ただ一点、不満に感じたのは燗にした際にわずかに老ねっぽい酸い臭いが鼻についた。これは購入店の品質管理の悪さに起因している可能性も高いのだが、その話を始めるとまた延々と述べてしまいそうだし、オフレコにすべき部分も多いので、やめておこう。とはいえ、その臭いで全てが台無しになるほどのこともなく、充分に満足感を得られるもので、気楽な晩酌として呑むのに過不足無い酒質であろうと思える。どうも純米贔屓になっている兄貴も「本醸造のわりにはなかなかイケる」と言っていたぐらいである。
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