日々の晩酌を中心に、時々我が家の虎猫兄弟なブログ。
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 【時代は】相模灘 純米吟醸 雄町【S53だぜ】
2011年01月22日 (土) | 編集 |
2011年1月21日

親が茶道に身を置くゆえ、その教えは幼少の頃より聞きかじってはいるのだが、思い立って家の本棚に転がっていた千宗室(先代。現在の玄室)『お茶のこころ』(文藝春秋、1966年)を読んでみた。改めて思ったが、飲み手、引いては飲食に関わる者は茶道の教えには最低限少しは触れるべきであろうと。「金を払う客ならば慣習や文化など知らずとも好きな様に振る舞っても良い、個人の自由だ」、インターネット上のサイトやブログのツールがあるからと「相手の事を気にせず、自分の思いのまま好き勝手レビューして当然である」、そんな風潮がはびこる昨今、それがいかに恥ずべきことかを諭すには十分過ぎるであろう。ホストとゲストの関係を再考するのにも実に有益である。また、現在から見て二代前に当たる淡々斎の言葉として語られる「いたずらに世人をまどわすが如き知ったかぶりほど俗悪なものなし」(29ページ)、ブロガーやレビュアーを自負するならば常に心に留めておきたい言葉であろう。

それはさておき、自身のアイデンティティーを成す情報の一つにちなんで非常に興味を抱いた清酒の銘があった。それは神奈川の久保田酒造「相模灘」である。現在確認できている範囲ではその条件に適う唯一の杜氏の醸す清酒である。ちなみに、その収集し読み込んでられる資料の厚さから敬意を払ってしばしば拝見させて頂いている方のブログでも高い評価をされていたことでも興味を引かれていたことも明記しておく。

0121相模灘雄町

満を持して開栓したのは純米吟醸の雄町、製造年月の表記から21BYであろうと考えられる。肝心の中身であるが、正直なところ、ここまで五味のバランスに長け、かつ薄いだけの没個性ではない酒に出くわしたのは久々なように思える。上立ち香は皆無で口に含むと清楚に香りが佇む。突き詰めれば甘味も酸味も捉えられるが、それらが渾然となった旨味が明確に現れるが潔く切れる。後味には苦味や渋味の伴う響く余韻、それに辛みと言うよりもドライさが舌を引き締めるゆえに次の盃を誘う。無濾過の仕様であるが、変な雑味は皆無である。いや、これは正に「水の如き」である。それは「水の様な」と混同される淡麗辛口ではなく、故坂口謹一郎博士の言う「うちに千万無量の複雑性を蔵しながら、さりげない姿」(『日本の酒』岩波文庫、40ページ)という酒質の調和に適うであろう。また、料理との相性という点でも、調整役としての奥行きは深い様に思える。それゆえ、飲み飽きない。いくらでも気持ちよく盃を重ね続けられるのである。

個人的には古典的で蔑ろにされがちな7号酵母や9号酵母が好きな質であるが、こちらは9号酵母を旨とされており、それが象徴的に、公式サイトを見る限り造りの姿勢は信念の伴うほどよいストイックさが見受けられる。今回の飲んだ感想でも、それが結果に表れているように思える。他の仕様も飲んでみたく。

と、実は勢い余ってすでに買い込んでいたりする。この純米吟醸の雄町に至っては(購入した一本は生酒仕様だと思い込んだり、別々の店で購入したという背景があるが)同じ造りのものを一升瓶で二本購入していたりする。それが失敗でなかったことは開栓して飲んでみて確定したのである。
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コメント
この記事へのコメント
気になりますね。
今年は厳しい論調が増えそうですね、先輩。
ウチの母も、茶道教えてました。

>その条件に適う唯一の杜氏
という行、気になりますね。

>自身のアイデンティティーを成す情報の一つ
とうのも、おなじく。
2011/01/22(土) 17:10:42 | URL | T.JACK #uJS39ZUc[ 編集]
ホントちょっとしたことです
T.JACKさん、どうもです(^^;
今までも大概噛み付いてましたが、続けていかないとナンチャッテやミーハーなノリだけな連中に世間は流されていきますからね。
茶道はやはりここまでの道を確立しているだけあって偉大だと思いますわー。いつかは本格的にやらねばと思いつつ。

あ、気になりますか? とりあえずヒントは記事タイトルの隅付き括弧っす。次回以降のタイトルネタ、すでに4つぐらい用意してますわ。
2011/01/22(土) 17:57:30 | URL | こねくろ #RuqWbrxY[ 編集]
期待のお酒
この『相模灘』は、良くも悪くもいろいろ因縁があり(?)、それゆえということも踏まえて、気になりつつも未だ飲んだことがない銘柄の一つです。

ただ、本記事を踏まえ、俄然飲むのが楽しみになってきました。
すでに、入手の計画もあり、今年は私にとって『相模灘 元年』となりそうです。詳細についてはまた。
2011/01/27(木) 01:53:52 | URL | 和 醸 良 酒 #tKPCyoPY[ 編集]
今後の活躍もね
和 醸 良 酒さん、アレ(?)が目の上のたんこぶですが、それに引っ張られても腹立つだけですしね。

「相模灘」、いやはや良い酒だと思いますよ。京都・大阪じゃ取扱店が少ないのがネックですが(最初、意気揚々と京都の取り扱い某店を訪れたところ、地元流通用の本醸造しか在庫が無かったです。聞いたら「人気があってすぐ売れてしまう」とは言ってましたが…)。
2011/01/27(木) 18:58:03 | URL | こねくろ #RuqWbrxY[ 編集]
相模灘は、久しぶりに自分が飲んだことのある酒蔵です。
和醸良酒さんと、こねくろさんが、因縁だとかアレだなんておっしゃられていることが、なんのことかよくわかりませんが、相模灘はいいですよね。
こねくろさんも書かれていますが、杜氏さんが芯の通った方だと感じましたが、それがそのままお酒の質に表れているような気がします。
2011/01/27(木) 23:59:06 | URL | 酒ばか1号 #2PUI3szM[ 編集]
因縁の理由
>酒ばか一号さん
ぶっちゃけますと、「K太郎」(仮名)が、以前から妙に持て囃(はや)しているお酒なんですよ(※悪い意味での因縁)。
もう一つの、『イイ意味での因縁』は、ここの蔵に働いている方を知っていて、今期の出来を大いに期待しているということがありまして。ちなみにその蔵人の方は『反K太郎(仮名)』です(笑)。
ま、そんなところです。
2011/01/28(金) 00:19:41 | URL | 和 醸 良 酒 #tKPCyoPY[ 編集]
酒ばか1号さん、私のアレ(?)は和醸さんの悪い方で言われている通り、よくご存じの奴さんです。

私が注目した一番の理由は本当にちょっとしたこと、人によっては馬鹿げたこと、取り上げることでもないでしょ、と言われかねないことですが、酒屋さんや飲食店の方と蔵元さんとの関係でこの点を強調されることがよくあり、ジェラシーを感じていたり(笑) 次回の記事では明言するつもりですが、一応伏せときます。
2011/01/28(金) 15:33:53 | URL | こねくろ #RuqWbrxY[ 編集]
和 醸 良 酒さん、そういえばその縁がありましたね。HNがYさんでしたっけ? また伺った話があればお聞かせください<(_ _)>
2011/01/28(金) 15:38:05 | URL | こねくろ #RuqWbrxY[ 編集]
和 醸 良 酒さん、こねくろさん、詳しいご説明ありがとうございます。
まあ、お二人が「K太郎さん」のことを指しているのかもと、何となく想像していました(笑)

「相模灘」もですが、手間暇を掛けているお酒が自分のようなちょっと古い人間にとっては、最近安すぎるような気がして、これから先酒蔵が成り立っていけるのか心配になっています。

まあ、「日本酒は日本にしかない伝統文化、伝統工芸だと思いますし、さらには、日本酒は日本の農業を支えている(逆も真なりです)側面もあると思うので」と言っておきながら、「一升瓶三千円(四合瓶1500円)以下の美酒」とか、「一升2500円以下の純米旨酒」なんてことを言っていて、本当に文化を支える気があるのか疑問に感じる人もいるので、しょうがないのかもしれませんが。
2011/01/29(土) 00:53:45 | URL | 酒ばか1号 #2PUI3szM[ 編集]
酒ばか1号さん、言わんとされていることはわかりますし、一定共感する部分もありますが、一消費者はそんなことを気にせず、支持するなら継続的に購入する、ということで良いのではないでしょうか。

まぁどうしても酒の流通市場はある程度定式化されてますから、外面上の情報に沿った価格水準が固定化している側面はあるかと思います。酒税で統制されてますし、有力企業の意向が反映されやすい。とはいえ、消費者意識も大きいかと思います。

まぁ件の残念な人のことは今更言うまでもないですが、「酒屋万流」という言葉が象徴的なように日本酒は「一物一価の法則」と対極的な商品差別・固有価値が明確かつ幅が広い商品です。もちろん消費者も可処分所得に限界がありますので価格ごとの選択肢の幅は欲しいところですが、「このスペック(せいぜい原料米や精米歩合、特定名称程度の情報)ならこの値段」と決めつけるのは、実は日本酒のことを何にもわかってない証拠でしょう。
2011/01/29(土) 14:25:14 | URL | こねくろ #RuqWbrxY[ 編集]
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