日々の晩酌を中心に、時々我が家の虎猫兄弟なブログ。
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 ネットで古本購入、飲むは「早瀬浦 特別本醸造」
2009年02月27日 (金) | 編集 |
2009年2月25日

ちょくちょくと実店舗・ネット上を問わず古本を漁ることが多い。実店舗だとブックオフが特に気軽に立ち寄れるが、立ち寄りやすい数店舗を回ってもどうにも欲しい本に出会えない。ネットだとamazonのマーケットプレイスが品揃えも良く、欲しい本の多くも安くあるのだが、いかんせんこれの場合は最低価格1円ではあるが一冊ごとに送料(中間マージン・手数料込みでしょうが)で+340円かかってしまうのがどうにもネックに感じてしまっていた(ブックオフに限らないず、例えば神保町辺りの古本屋の店頭に並べられている「もってけどろぼー」的な100~200円棚にあったら、と考えると躊躇してしまうんですわ、根はバーゲン大好きっ子なもので…)。そんな折に、先日かどやさんに伺った際の会話で、イーブックオフだと実店舗のブックオフと同様の最低価格105円の古本で合計1500円以上で送料タダになるということを伺った。よくよく考えると確かに在庫があれば使い勝手は良いということがわかり、在庫のあるもので気になる本を見繕って発注した次第である。それが本日に届いた。

そのうちの(合計金額の調整のためにカゴに突っ込んだ)一冊にたまたま文藝春秋編『日本酒の愉しみ』(文春文庫、1996年)があったのだが、これを見ると山形の高木酒造「十四代」がどのようにマスコミ(というよりもカメラマン名智健二氏、と言うべきか。酒業界では超有名人らしいが、正直な話、全然知らんかった(苦))に注目され、雑誌に取り上げられたか、ということがよくわかる。この当時は法定上飲酒も出来ぬ○○○だった私、言い換えれば酒に関して物心がつく以前の時代であるので、それを直接に伝えてくれる一次資料という点ではめっけものだったと思える。もっとも、ネット上の情報を総括すると最初に名智氏の取材に基づいて「十四代」が取り上げられたのは新潮社が発刊していた雑誌『SINRA』1994年10月号での特集記事であったとの話(この事自体は以前より知っていたが実物は見たことはない)であるが、そこでは直接的に蔵元や銘柄の名は出されなかったとのことであるし、両者とも名智氏が直接的に関わっていることからこの本の記事はその延長線上にあるものと考えられよう。

この本の内容は同出版社から出されていた雑誌『ノーサイド』1995年10月号をメインに、若干『dancyu』1995年8月号の記事を再録して構成されている。基本的に『ノーサイド』の記事が大半であるし、『十四代』関連の記事もそちらのものである。とりわけメイン記事といえるのは、58ページにわたって高木酒造の酒造りの様子を豊富な写真を用いて構成されている「美味い日本酒はこう造られる」であろうし、他にも高木顕統氏へのインタビュー記事、カメラマン名智健二氏の話(氏が高木酒造に注目するきっかけに関しての話も含む)も収録されている。「十四代」が注目されたのは、今でこそ珍しくないが、杜氏の高齢化による引退をきっかけとして、蔵元杜氏(跡取り)へと世代交代する事例の象徴的存在だったという理解が適しているように思えるがどうだろうか。最近は酒関連の本を乱読しているのでどこに書いていたかは定かではないが、戦後の高度経済成長の頃には産業構造の変化により出稼ぎ先が多様化し、杜氏や蔵人になる人が減少していった、という背景があった様子である。新規の杜氏・蔵人の減少を1960年頃と想定すると、それまでに杜氏になった世代が現役引退するのが1990年代以降であろうと考えられる。また、私はそもそも、一滴たりとも飲んだことすらないんだが「十四代」「淡麗辛口」全盛(ここでいう「淡麗辛口」は造り手・呑み手ともに良酒を「水の様な酒」とはき違えたものだろうと思えるが)だった当時にそのアンチテーゼとして「芳醇旨口(と言われる酒質)」の酒をリリースし、酒業界や呑み手の嗜好にコペルニクス的転換をもたらした、といったことがしばしば(昨今の自称日本酒通による蘊蓄として)見聞されるのだが、実際に「コロンブスの卵」の如く衝撃を受けた呑み手が当時いたのかもしれないとは思えるが、少なかったのだろうけれども「十四代」の登場以前にそれに類する酒質の清酒が存在していなかったのか、ちょうど「(水の様な酒と勘違いされた)淡麗辛口」偏重の状況に対する反動が来るタイミングに合致したという条件があったからではないか、どうにも疑問に感じてしまう。酒質に関しての話題、どのような酒質を目指したのかという話題(経営戦略と言うべきですかね)は後から付随してきたオプションのようなもので、当時の特集記事を見ていると、ある酒蔵のドラマチックな物語と酒造りに励む様子、それを装飾する酒造りの現場を捉えた写真群が読み手の琴線に触れた、ということが高木酒造「十四代」が注目された大きな要因ではなかろうか、というのがこの本を拝見しての印象である。

個人的には、酒に関して開眼した頃にはすでに「十四代」は最も正価での購入が困難な清酒であったし、そういうイメージが世間一般での認識として定着してしまっているためかここまで高木酒造の実態について特集した雑誌・文献というのには出くわしたことがなかった。そのため、これまで高木酒造は謎のベールに包まれた、取材一切お断りで特約店すら酒造りの現場を見たことがない蔵(それぢゃO府Iの某有名蔵)なんだろうなと勝手なイメージを持ってしまっていた次第である。その点でのイメージは若干修正できたのだが、生来の天の邪鬼な性格ゆえ、気軽に購入出来ない「十四代」に対して斜に構えてしまうのには変わりがない(これは少なからずのプレミア扱いされる焼酎銘柄にも通じる話である)。

早瀬浦 特別本醸造


気軽に購入出来ない、自分自身が飲んだこともないので現実感に乏しい「十四代」の話題はこの辺で置いておいて、今や気軽に購入出来るようになった(つまりは少し前まで大阪府内での購入に難があった)福井の三宅彦右衛門酒造「早瀬浦」を晩酌にて頂く。本日開栓したのは「早瀬浦 特別本醸造」である。原料米に「越の雫」を用いた精米歩合55%、スペック上のみならず、風味自体も吟醸の香味を体現しているように思えるほどの芳醇さである。日本酒度は+6とそこそこ切れているのだが、ナッツ様のコクがあり飲み応えがある。良い意味で本醸造らしからぬ清酒だと思える。

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コメント
この記事へのコメント
十四代、ですか・・・。
『SINRA』はなかなかいい雑誌でした。最近は惰性で買い続けている『dancyu』と併せて、創刊号から揃えてありますので、また読みにいらしてください。その折りには、「十四代」を用意しておきましょうか(笑)? ついでながら、件の『ノーサイド』もありますよ。 確かに「十四代」は全般を通して美味しいとは思いますが、最近はあまりに種類が多様化して「十四代」自体の実態がよくわからないという気もしています。もっとも、そんなに頻繁に飲める機会はありませんけど。
2009/03/07(土) 19:17:36 | URL | 和 醸 良 酒 #en9qG856[ 編集]
Re: 十四代、ですか・・・。
和醸良酒さん、流石ですね、というかマニアック過ぎです(^^;)
『SINRA』の該当号は身近な図書館にも収蔵さ
れてなかったぐらいですよ(←ちゃっかり自分も
探してるし)。
また今度読ませて下さい!

「十四代」、昨今はよくわからないというのは
確かでしょうね。自他共にそういう方向に持
って行ってしまっているようにも思います。
天の邪鬼な私から見ると、“オリジナルな
酒米「龍の落とし子」”など名前からして
「完全に釣りぢゃねえの~」としか思えないっす。
2009/03/08(日) 10:17:17 | URL | こねくろ #RuqWbrxY[ 編集]
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