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 熱処理ビールを考える、あるいは麒麟のニッポン・プレミアムとゴールド
2008年09月19日 (金) | 編集 |
過日にも少し触れたことがあるが、日本の大手ビールの大半(地ビールもそうかもしれないが)は非熱処理(パスツリゼーションのされていない)、つまりは生ビールが主流をなしている。日本での定義では樽であっても瓶/缶詰めであっても非熱処理のビールならば生ビールとなる。現行も販売されているビールの中で、連綿と熱処理ビールで有り続けたのはサッポロラガーぐらいであろう。数十年ぐらい前の頃であろうか、マイクロフィルター等の技術により熱処理しなくても酵母をビールより取り除くことが可能となり、「生=新鮮=美味い」というイメージ戦略であろうか、ビール業界は一気に生ビールに移行した様だ。その辺りはいわゆるドライ戦争でも反映されているのかもしれない。

この点に関して、以前に酒販業界の方から興味深い話を伺ったことがある。あくまで伝聞であるので当事者であるビール会社の担当に確認したわけではないことを先に述べておくが(同様の話はネット上でも散見されるが)、登場して瞬く間にビールシェアを席巻したSDは生ビールであった。SDのヒットでシェアを拡大していた途上にあったアサヒビールは当時熱処理ビールであったキリンラガーが主力製品の麒麟のシェアの牙城を生ビールで穴を空けた格好になり、そのことを「生ビールシェアNO.1」という宣伝文句で表した。しかし、これに業を煮やした麒麟は、アサヒビールにその宣伝文句を使わさせないためにキリンラガーを全面的に生ビール化してしまったというのである。その結果は旧来のキリンラガーファンが離れることになるのは自明であろうし、「ビールシェアNO.1」のお株も奪われたことは歴史的事実として確認出来る。結局はかつての熱処理版のラガーを「クラシック・ラガー」として復活させることにもなる。

さてと、生と熱処理に関しては因縁深い麒麟であるが、熱処理ビールに関しては一定のコダワリを持っているように拝見される。麒麟の現行商品ではクラシックラガー、ゴールド、ニッポンプレミアム、定番季節限定商品である秋味と、密かに熱処理ビールが多いのである。特にここ1~2年の間に主力商品とすべく投入したゴールドとニッポンプレミアムが熱処理ビールであることは興味深い。ここ数十年の間に生ビールに傾倒し過ぎたビール業界がここに来て熱処理ビールへの回帰傾向(生ビールと熱処理ビールの両立と言うべきか)にあるのではないかとも思える。

しかし、当の熱処理ビールのラインナップを増やしている麒麟自身がそのことをまるでアピールをしていない。公式サイトの商品案内を見ればよくわかるが、それらの商品の特徴として熱処理ビールである旨が一切記載されていない。私自身の経験としては、麒麟のラガーとクラシックラガーの違いは当初認識しておらず、酒屋さんに口頭でその違いを伺うまで知らなかった。それぐらいに、一般的にそれらの商品が熱処理ビールであることは認識されていないように思える。そのことは混乱の元になっているのでは無いかと思える。その最たる例として「ニッポンプレミアム」を挙げたい。

麒麟ニッポンプレミアム


「ニッポン・プレミアム」、発売された当初にさっそく頂いたりもしたが、どうにもピンとこず、それ以来は手を出そうとは思えなかった。なぜなら、実勢価格はヱビスやプレミアムモルツと同程度かそれより高いぐらいであるが、個人的にはそれらの方を選択した方が遙かに良いと思えたからだ。いわゆる「プレミアム」を謳っているビールの中で風味の傾向が明らかに異なる。そのことがどうにも不思議だったのだが、熱処理ビールであるという点で大体は納得した。風味の傾向が異なるのは当たり前で、清酒でも火入れと生酒で異なることを考えればわかりやすい。生と熱処理の明確な区別の無いままに、プレミアムビール(銘やデザインの中に「プレミアム」に類する文言が付されているビール)市場に投入されてしまっており、並列されれば違和感の元である。

この頃、スーパーや百貨店の酒売り場を覗いても「ニッポン・プレミアム」を扱っている所は減少しているように思え、置いていても扱いは小さかったりする。このまま消えてしまうのではないかと邪推してしまうが、まぁそれはともかく、今一度(舌に記憶を残させるべく)味わっておきたく思い、一つ購入して頂いたりした。改めて頂いて思ったのは、爽快感は皆無に等しいのである。その一方で味が濃くて丸みがある。そして、結構酸味が強い。清酒で例えればどっしりとした火入れ酒のイメージそのものなのである。あくまで味の好みは人それぞれではあるし、食い合わせ等の条件によっても異なってくる物だが、個人的には日本のピルスナー系のビールに私が求める風味とはベクトルは異なる。とにかく、ヱビス等とは全く違うことは間違い無いだろう。私なんかはヱビスやプレモル、同じ麒麟ならばハートランドあたりを好むが、その感覚ではまず「ニッポン・プレミアム」をリピートしようとは思えなかったのだ。

キリン・ザ・ゴールド


くれぐれも、あくまで個人的な感覚であるが、同じ熱処理ビールならばこの「ニッポン・プレミアム」よりも風味の点で「ゴールド」を選択してしまうということ再認識した。「ゴールド」に関しても改めて頂いたが、丸みのある味、酸味の存在などの特徴に共通点はあるものの、こちらは爽快感が伴うのである。これはホップの違いに寄るのかもしれない。

ひとまず小括すると、キチンと熱処理ビールであることを明言し、熱処理ビールであることによる魅力を押し出す方が良いんでない?、ということに尽きる。他者の競合製品との差異は熱処理ビールという点で土俵が異なる。むしろ、共存両立している方が風味の違いを楽しめ、気分や状況によっての選択が出来るようになるのだから、熱処理ビールも生ビールと同様のアイデンティティをもって喧伝することはビール業界にとってオモロクするきっかけにもなるのではなかろうか。

追伸
熱処理ビールということで、サッポロラガーも頂きたいと思える今日この頃であるが、CVS限定販売の缶ではなく、瓶で呑みたい(ここ重要)ので保留中。
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コメント
この記事へのコメント
私にはこの二銘柄はどうにも物足りない感があり好みでは無かったのですが、熱処理の違いがあったんですね。単に好みの差かと思い全く気にしておりませんでした(^^;)

わざわざ熱処理を謳わないのは生を有り難がる風潮が影響しているかもしれないですね。まぁ、上記のように私は気にしてないのですが(^^;
2008/09/20(土) 21:08:38 | URL | どん #HfMzn2gY[ 編集]
どんさん、私もそうだったので、好みで片付けるのが当然だとは思います。ただ、生と熱処理という明確な違いがある以上、清酒の場合の生酒と火入れ酒のそれぞれに良さや楽しみがあるのと同様な、呑み手の選択肢の幅の拡がりにつながると思ったりしているわけです。

明記しているように、個人的にはゴールドは時折呑むには有りだと思ってますし、ヱビス等とは違った目線で楽しめるように思っているわけです。
2008/09/21(日) 02:14:49 | URL | こねくろ #RuqWbrxY[ 編集]
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